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起業一年目のリアル

今回は起業一年目のリアルということで、私が法人をたててから約一年がたったので、そのなかでおきた様々なことや経験について具体的に説明していきたいと思います。

起業のイメージ

まず起業というと、株式会社を立てて、代表取締役社長になるというイメージを持つ人が多いと思うのですが、実際、起業という本当の意味としては事業を起こすということなので、法人でなくとも個人事業主として事業をやっていれば起業しているということになります。私はずっと個人事業主として様々な事業をやっていて、主に業務委託をしてもらってウェブ制作や動画制作、システムの開発をしつつ、時々自分でサービスを作っていたのですが、この機会に法人をたててしまおうと思い、法人化しました。法人をたてた理由であったり、法人のメリット・デメリットなどを説明していこうと思います。

法人をたてた理由

メリット1

なぜ個人事業主から法人にしたのかというと、一つ目として年齢がありました。法人は15歳以上であれば自ら代表取締役になれて、簡単に法人を作ることができたためです。この年齢に達したということが大きなポイントです。

   Point

株式会社の取締役の年齢制限は法律で定められてはいませんが、役員の登記には印鑑登録が必要なため、印鑑登録ができない15歳未満は原則取締役になれません。しかし、取締役会を設置する場合は印鑑登録が不要となり取締役になることが可能です。ただ、意思能力の問題や取締役会には取締役3名と監査1名が最低限必要なのでハードルが非常に高くなります。

メリット2

二つ目は法人口座を取得することができるようになる点です。法人口座があるとウェブサービスなどを運用する際に、お金のやり取りを個人の口座ではなく、会社の口座で処理できるようになります。法人口座であれば信用度も上がりますし、お金の管理も楽になります。さらに法人口座があると、法人向けのサービスが受けられるようになります。いわゆるBtoB系サービス、例えば専門のロボット部品やプレスリリースサービスなどは個人には商品を売ったりサービスを提供してくれません。しかし法人名義であればこれらの法人のみに提供されている商品・サービスを受け取ることができます。

メリット3

三つ目のメリットは将来的な話も含まれていますが、節税です。個人でも収入が500万や1000万などと大きくなってきた際に、法人の方が手元に残るお金が多くなります。

Point

全ての場合で法人化が節税に繋がるわけではありませんが、個人の場合は利益がすべて個人所得となりますが、法人であれば法人所得と役員報酬(給与所得)にわかれることになり、それぞれ控除額も異なってきます。概ね事業所得が900万円を超えてくると節税できるようになります。

メリット4

四つ目は株式会社のメリットですが、株式を持っている場合は、それを使って資金調達ができるようになります。私はまだやっていませんが、例えばベンチャーキャピタルや投資家に株式を渡して資金調達ができるようになります。これにより楽に資金を調達できるというメリットもあります。

法人のデメリット

デメリット1

最近は「一円で起業できる」というような話もありますが、はっきりいうとです。さすがに一円では起業できません。なぜかというと、書類の取り寄せや法人登記にかかる手間を処理するのにお金がかかります20万円〜30万円ほどを見積もっておく必要があります。私の場合は自分で全てやるのではなく、税理士や行政書士の方にやっていただきましたが、30万円ほどかかりました。

さらに資本金も必要です。資本金も1円からできると言われていますが注意が必要です。確かに、実際に1円でも起業することはできますが、1万円から100万円の間で決めている人が多数です。資本金は銀行口座を作るときに信用の指標として見られて、資本金が多い方が信用されます。資本金はいっときだけ口座に入れておいて、その後で引き出しても認められるので、資本金が多いだけで信用につながるというわけではないのですが、やはり銀行であったりすると資本金をよく見られ、実際に聞かれます。資本金を見た上で審査の可否を決める風習はまだありますから、安易に資本金を安くしすぎると後々困ることもあります。もちろん、起業後に資本金の増資も可能です。ですので、現実的な問題として1円で起業することはかなり難しく、20万~30万にプラスアルファ必要だと考えていただければ良いと思います。

デメリット2

次に注意ですが、起業前に個人事業主をやっていた場合、一年目の手間がかなりかかります。個人事業主としての収入には確定申告が必要ですし、企業としての収入には決算が必要です。いままでは確定申告1回で済んでいたものが、起業一年目には個人と企業でそれぞれで計2回の確定申告が必要になります。私は4月に会社をたてたのですが、1月から4月までの分を個人分として確定申告、4月から3月までの分を会社の決算として確定申告しなければなりませんでした。一年目に重要な予定が入っていて忙しい場合などはこの点に注意が必要です。

デメリット3

起業すると様々な会社から営業がきます。郵便でも電話でもかなり入ってきます。実際有名なサーバー会社やアフィリエイト会社から営業の電話やメールがきました。これにはメリットもデメリットもあります。個人でやっていた頃には営業されないような有名な会社から連絡が来ると、信用してしまったり嬉しくなって契約をしてしまおうと思うことが多いですが、悪質な商売である可能性も大いにあります。有名な会社だからといっても、営業しているその子会社がまともであるという保証はありません。名前を見て喜んで契約するのではなく、口コミを見たりインターネットで調べたりして、どんな会社なのかや、契約内容をしっかり確認した上で契約しなければいけません。有名な会社に営業をかけられたからと喜んで契約すると後々後悔する可能性があります。個人と違い額も大きいですから自分の会社に合っているか、自分の会社のリソースでその商品を最大限活かせるのかを考え、見極めていく必要があります。

デメリット4

最後に税金です。これもそれなりに面倒なことがありますが、基本的には顧問税理士の方にお願いするのが一番いい手だと思います。会社の場合は帳簿をつけなければいけないので、自分でほとんどやるというのはなかなか厳しいです。顧問税理士は顧問契約に概ね一月に2~3万ほどかかります、そして決算をするのに10万程度かかってくるので税理士費用が年間50万円ほどかかってきます。ただ顧問税理士がいれば全て解決するというわけではありません。売り上げや経費の証拠提出は会社側の仕事ですから、その手間は当然かかります。月に一回ほど、レシート・領収書をまとめて売上額とともに税理士に提出する必要があります。つづいて顧問弁護士です。これはつけている人といない人がいると思いますが、会社の事業について法的に問題ないかを確認したり、訴訟を起こされた時、逆に訴訟を起こす場合に顧問弁護士がいると、常に会社の状況を伝えることができるので円滑にトラブルを解決することができます。顧問弁護士に関しては必ずつける必要はないと思いますが、事業の内容がセンシティブであったりする場合ははやめにつけておくことをおすすめします

まとめ

こんなかたちで起業一年目を語ってきましたが、今個人事業主をやっていたり、会社設立を考えている人は参考にしてみてください。